成相寺の歴史
元々は日本古来の山岳宗教の修験場で、日本全国にある五つの「聖の住む所」の一つとして信仰を集めていたらしいです。
慶雲元年(704年)、文武天皇の勅願時として真応上人によって創建されました。
一人の僧が草庵で修業中、豪雪のために人の来住もなく食料も絶え、何一つ食べるものがなくなり餓死寸前となりました。死を予感した僧は本尊に「今日一日生きる食べ物をください。」と祈りました。すると、草庵の外に鹿が現れました。僧として肉を食べることは禁戒だったので思い悩みましたが、命には代えられず、鹿のすねを削いで鍋して食べました。
やがて雪も解け、里人たちが登ってきて草庵を見ると、本尊のすねが削り取られ、鍋には木屑が散っていました。
僧は観音様が身代わりになって助けてくれたことを悟り、木屑を拾って本尊のすねにつけると元の通りになりました。
これによりこの寺を願う事成り合う寺、成相寺と名付けたという云い伝えがあります。